無料ブログはココログ

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

2005年10月

2005年10月28日 (金)

環境情報学部パンフレットのディレクション

mitech2006-2
大学の広報関係のワーキンググループに参加することになりました。現在本学では、大学の広報を全面的に見直すことになり、Webやパンフレット、広告などの見直しを行っています。私は、ワーキンググループのメンバーの一人として、来年度の環境情報学部のパンフレットのディレクションに関わることになりました。大学のパンフレットは、高校生に大学の内容を知ってもらい、さらに受験してもらうための重要な冊子です。大学の生命線のひとつです。今日は、大学の事務の人と、広告代理店、制作会社の人たちと会合をもちました。これから急いで、内容について詰めていくことになりました。パンフレットのデザインや制作は、制作会社が行うので、私たちは、学校の要望を的確に制作会社に伝えていく役割であり、大学側のディレクターであるのです。大学がパンフレットを作るとしても、すべてを制作会社にお任せしては、大学の意図もきちんと伝わらず、いいものはできません。大学側の要望やコンセプトをきちんとまとめたり、どんな情報を出したいか決めるのは、大学関係者にしかできないことですので、我々がやらなければなりません。デザイナーがいい仕事をするには、仕事を出す人のデザインセンスにかかっていると思います。

大変な作業になると思います。しかし、日本中のどこの大学でも同じですが、現在、大学は危機感をもってあらゆることに対処していかないといけないと思います。事務の方たちと教員が結束して、良い学部パンフレットをデザインしたいと思います。完成は来年5月ごろの予定です。写真は現在の学部パンフレットです。

また、小池研究室でも4年生が卒業研究で、学部パンフレットのプロトタイプのデザイン研究を行っています。

武蔵工業大学ガイドブック請求

ハイブリッドなデザイナーになる

今週水曜日に、本学を卒業して、社会人を1年経験して、デザインの専門学校に通っているOBが研究室に遊びに来てくれました。彼は大学でマーケティングを勉強して、IT系ベンチャー企業に就職したのですが、思うところあって、桑沢デザイン研究所の夜間コースに入学したのです。入学して7ヶ月になりますが、デザインの作品の数には驚きました。プロダクトデザイナー 志望なので、プロダクト関係のスケッチ、レンダリング、モデルなどの作品が多いのですが、自分でも自主的に多くの作品を作っています。入学するまで、デザインのことなどまったく勉強していなかったのに、技術もどんどん向上しています。桑沢デザイン研究所の夜間コースでは、文系、理系の大学に昼間に通いながら夜、デザインの勉強をしているダブルスクールな学生や、社会にでて、もう一度デザイナーを目指している社会人など、様々な経歴を持つ多くの人がデザインを勉強しているそうです。彼のように、明確な目的をもって、デザインを勉強することで、集中してデザインの技術が向上するのでしょう。

今は、デザインだけではなく、いろいろな経歴や知識、技術を持った人々が、さらにデザインの技術や、知識を身につけてハイブリッドなデザイナーになっていく時代なのです。彼も、大学でマーケティングを、会社でプログラミングを学び、さらにデザインもできるようになろうとしているのです。この人たちは、デザインのみを学んだデザイナーに比べれば、幅広い知識とバランス感覚を持ったデザイナーになれるかもしれません。また、自分の本当にやりたいことを見つけたということで、情熱をもってデザインの勉強をしたり、仕事をできることでしょう。彼には、是非、ハイブリッドなデザイナーになってほしいと思いました。

彼の話は、3年生のゼミの時間に3年生と聞きました。3年生に彼の作品や、がんばっている姿を見てほしかったのですが、反応は、、、、、、でした。3年生の中には、今、デザインの勉強をしているけど、自分の本当にやりたいことなのかまだよくわからない人もいるかもしれません。今、デザインの勉強ができることは、他の人から見れば、恵まれた環境にいるのです。早く目覚めてがんばってほしいです。

桑沢デザイン研究所

2005年10月23日 (日)

プーシキン美術館展と音声ガイド

今日、上野の東京都美術館で開催中のプーシキン美術館展に行きました。ロシアの2人の蒐集家が集めてロシアのプーシキン美術館に収蔵されている作品群です。フランス印象派、モネ、ルノワール、ゴーギャン、ピカソなどの絵を見てきました。多くの人の目を惹いたのが色あざやかなマティスの「金魚」、40年ぶりの来日だとか。

蒐集家である実業家のシチューキンとモロゾフは、絵を集めつつも若い画家たちのパトロンの役割をはたしたり、ロシアに持ち込んだ絵は、その後、ロシアの美術に大きな影響を与えたりしています。彼らは、コレクター以上の役割をしています。

絵の内容と関係ないのですが、いいと思ったのが「音声ガイド」です。入り口で500円払ってiPodが巨大化したような機器とヘッドフォンを借りて、首から機器をぶら下げてヘッドフォンをかけて館内をまわるのです。機器のテンキーで絵の上部に表示してある数字を打ち込むと、その絵の解説を聞くことができます。最初は機器をぶら下げている姿が....だったので関心なかったのですが、前回「ゴッホ展」で借りたときに考えが変わりました。

絵を見ながら、絵の横にある小さな解説画面を見るのはなんとなくもどかしいのですが、絵を見みながら解説を聞くのは、やってみると状況にとてもマッチしています。混んでいると解説文も読めません。ベンチに腰掛けて、複数の絵を遠目に見ながら解説をゆっくり聞くこともできます。何度も繰り返し聞くこともできます。また、内容は子供用と大人用の2種類あって、子供用は、絵のことをできるだけやさしく説明しようとしたり、絵にまつわる蘊蓄(うんちく)も多くもりこまれて関心を惹きます。展覧会に行く前に、それほど前知識を仕込んでいくわけではありませんので、現場の絵を前にしてのインストラクションは有効です。前回のゴッホ展の子供用の音声ガイドにはアニメの有名な声優を起用していました。そんな配慮もいいですね。最近は、美術館も美術のことを一般の人たちにわかりやすく伝えようという努力をしていると思います。美術館のユーザビリティも重要ですね。

12月18日まで。是非、見に行ってください。
プーシキン美術館展公式サイト

2005年10月20日 (木)

広場ワークショップ

横浜市都筑区を拠点に活動している住民団体「I LOVE つづき」と都筑区役所、小池研究室で行っている、横浜市営地下鉄中川駅近くの広場のリニューアルプロジェクトの活動についてです。

昨日、大学で地域の住民と、I LOVE つづき、都筑区役所と小池研究室で、広場のワークショップを行いました。住民を交えて広場のデザインについて意見を集めるのが目的でした。広場を全面改装するのではなく、小規模なものを付加するすることで、広場の活性化をはかりたいのですが、大きな問題もあります。それはメンテナンスの問題です。例えば広場に花壇を設置したとしても、その後、それを誰かがメンテナンスしなければすぐにだめになってしまいます。そのメンテナンスは行政や、住民団体だけでは負担が大きく、広場周辺の地域住民の皆さんのサポートが重要になります。住民の広場に対する関心が高まったり、サポートする人々が現れないと、広場にどんなデザインをしても維持はされません。広場づくり以前に、住民の皆さんを巻き込んだ「人づくり」が重要なのです。昨日は、地域で公園の清掃をボランティアでされている住民の方も来ていただきました。

広場近くの公園に落書きされているトンネルがあったのですが、先月、I LOVE つづきが主催して、その落書きを消すイベントがありました。小池研も落書き消しに参加しました。住民の方にとってはその落書きが気になっていて、I LOVE つづきがその落書き消しを行ってことに感動して、ワークショップに来てくれた住民の方もいました。

武蔵工業大学もこの都筑区の住宅地の中にあるのですが、その存在も本当は地域の人にはよく知られていません。我々が落書き消しに参加したことで、地域の人々にも感謝され、知られるようになりました。住民団体のI LOVE つづきが落書き消しを通じた地域貢献を行い、それに住民の方が共感して、昨日の広場づくりワークショップに参加してくれたのです。まだ、広場づくりのための活動はまだ小さいですが、このような住民、住民団体、行政、大学のコミュニケーションが、地域の活性化につながると感じました。このプロジェクトは小池研究室の3年生が行っています。地域をフィールドにして、地域の人々とコミュニケーションしながらデザインについて考えることが、彼らにとっても良い経験になってくれればと思います。

2005年10月12日 (水)

幼稚園で育つロボット

小池研究室ではロボットデザインのプロジェクトを行っています。デザインといってもロボットの外観のデザインではなく、人間とコミュニケーションできるロボットの振る舞いの在り方についてのデザインです。 10月から週2回のペースで東横学園二子幼稚園で、NECのロボットPaPeRoの実験を行っています。実験には小池研究室から3人の学生が参加しています。PaPeRoに幼稚園のためのコンテンツをプログラムして幼稚園で実際に使用しています。

しかし、私たちが行っているのはいわゆる、「実証実験」ではありません。「実証実験」が、事前に作成したプログラムが予想通りに動作するか確認することならば、私たちは、幼稚園でロボットを動かしていく中で、幼稚園に必要なコンテンツや、園児や先生とコミュニケーションするために必要な会話、ロボット技術の用途、さらにロボットと人間の関係について「発見」いこうとしています。幼稚園に一度いって実験して、そこで発見したことや、園児からの要望や、園児の活動を見て思いついた アイデアは、すぐにプログラムされ、実現され、次回の実験で使用されます。

幼稚園をフィールドとして、ロボットをプロトタイピングツールとして使用することで、ロボットは鍛えられ、環境に適応していきます。幼稚園は子供が育つ場ですが、ロボットも幼稚園の中で育っているのです。園長先生から毎回、幼稚園の教育についていろいろ教えていただいているのですが、その中に多くのヒントがあります。

ロボットが幼稚園で育つのはいいことですが、毎回、実験のたびに徹夜でプログラムを制作、修正していく3人の学生も大変です。がんばってください。

学校法人 五島育英会 東横学園二子幼稚園

五十嵐威暢展

彫刻家、デザイナーである五十嵐威暢(いがらし たけのぶ)氏の展覧会の紹介です。

タイムトンネルシリーズVol.21 五十嵐威暢展
『平面と立体の世界』
2005.10.31(月)-11.25(金) 11:00-19:00
入場無料
クリエイションギャラリーG8

五十嵐先生は、アルファベットや数字を立体にしたイラストや彫刻としてデザインした作品で有名なアーチストです。私が多摩美術大学の上野毛校に勤務していたときにデザイン学科の学科長をされていました。先生の事務所にもうかがったことがありました。私に大きな影響を与えてくれたアーチストの一人です。
当時、授業などでお話を聞くことが多く、印象に残っていた言葉は、
「20年、同じことをやり続ければ、自分がオリジナルになる」でした。

当時、五十嵐先生はドラフター(製図機)をデザインツールとして使用してアルファベットや数字を立体化した作品を発表していました。ドラフターをデザインツールとして使用することは画期的でした。立体の数字を使用したカレンダーはニューヨークのMoMAにも収蔵されました。
その後、他の人が五十嵐先生のデザインをまねしたイラストが多く見られましたが、いつのまにか姿を消してしまいました。以後、立体のアルファベットのイラストといえば、誰もが五十嵐先生の作品であると認めるようになりました。「継続はオリジナル」です。

私も多摩美を去り、五十嵐先生も学科長を辞され、先生とは疎遠になりましたが、ジャンルにとらわれずにイラスト、プロダクト、彫刻などに取り組み、今は北海道でデザイン塾も主宰されています。

五十嵐先生のご活躍をお祈りしています。

公式ウェブサイト

レゴで生物の運動表現

IMG_3744
今日は多摩美術大学で非常勤の授業を行いました。「動きとインタラクション」という授業で運動表現をしているのですが、今日はレゴブロックで水生生物の動きを作りました。レゴマインドストームというレゴにモーターや歯車のついたキットを使用して作るのですが、完全なロボットの魚のようなものは作れません。尾やヒレといった生物の一部の動きだけを作ってみるのです。レゴを運動の表現に使用する理由は、ひとつは、実物の生物の動きを機械を使って表現することによって実物と比較してその差異を見つけようとするためです。例えば、機械は規則的な動きが得意で生物の規則的な動きを見つけて表現することはできますが、逆に不規則な動きは生物特有の動きであることがわかります。もうひとつの理由は、複数の人間で運動が作れることです。この授業は4、5人のグループで行っています。グループで生物を観察して表現するのに、CGだと、一度に作る人が一人ですが、レゴは皆で話し合いながら試行錯誤して作ることができます。すぐに作って、修正してまた作ってというような、「プロトタイピング」に適したツールです。グループワークにおける「話し合い」のツールとして、レゴはとても適しています。今日も学生達が生物の動きの表現に挑戦していました。写真は「エイ」のヒレの部分の動きを作っているところです。

2005年10月10日 (月)

何かが始まる瞬間に立ち会う

先週、かつて、前任校の女子大で教えていた人で、今は社会人になっている女の子が2名、研究室を訪ねてきました。私は、前の学校でもデザイン学科で教えていました。彼女たちは、イラストレータや、Webデザイナーが志望で、今の仕事をやめて、本当に自分がやりたいことをしたくて相談に来たのです。一度はデザインの道を諦めたけれど、もう一度挑戦したいという気持ちはよくわかりました。やはり自分には嘘はつけないということです。話を聞いていくと、別の方向へ発展していきました。

一人は、とてもかわいいキャラクターのイラストを描いていて、もう一人は、そのイラストを世にビジネスとして送り出したいという希望をもっているのです。その希望は、Webデザイナーになるよりはるかにたいへんかもしれませんが、私は、是非挑戦して欲しいと伝えました。もう一人いっしょにやる女の子がいて、3人の女の子のユニットでキャラクターのベンチャービジネスをはじめようということです。

彼女たちは、現状では別の仕事をして生活はとりあえずしていけるし、イラストは3人のうちの1名が描くので無料です。Webを立ち上げて宣伝していくのもそんなに投資はいりません。多額の負債を抱えなければ、なくすものはありません。すぐにはじめて、すぐにやめることもできるのです。

『誰もが表現できる時代のクリエイターたち』(小田切博著、 NTT出版、1800円)
 という本を読んだことがあるのですが、そこには何の経験もない素人の人たちが自分の情熱だけでいきなりクリエイターになっていく事例が紹介されています。
現代はIT環境も発達して、アイデアと情熱があれば、何かをクリエイトして発信することはそんなに大変なことではありません。

彼女たちは、キャラクタービジネスを立ち上げる気持ちになって帰っていきました。
もしかしたら、すごいことになるかもしれませんね。
彼女たちのWebが立ち上がったらまた紹介していきたいと思います。
皆で応援しましょう。

誰もが表現できる時代のクリエイターたち


再び葛西臨海水族園へ

今日、雨でしたが、武蔵工業大学の「映像デザイン」の履修者と再び葛西臨海水族園に生物の運動の調査に行きました。多摩美の「動きとインタラクション」の履修者は1年生で約30名ですが、こちらは2年生で約80名近くいます。今日は、開園記念日でしたので、無料でした。そのためか、開園前から行列ができていました。前回と同じように開園と同時に入場して、生物の動きを観察しました。

美大なら常識ですが、武蔵工業大学の学生は「スケッチ」というものがよくわかりません。ビデオで生物を撮影するだけなら簡単ですが、生物を肉眼でみて、実際に手を動かしてみて、描いてみて、どこがどのように動いているのか確かめていく作業が重要だと思います。今日もスケッチするように盛んに学生達に伝えましたが、多くの学生はまだわかってくれていないようでした。このデザインの授業の中で、自分の目で生物の動きを確かめて、それをスケッチすることで自分のものにすることを学んで欲しいです。

帰り際に多摩美の学生3人に会いました。彼女たちは、今日、同じ時間に再び水族園に来て調査をしていたのです。とても熱心ですね。多摩美恐るべし。本校の学生もがんばってください。

2005年10月 4日 (火)

「動きとインタラクション」授業

お久しぶりです。なかなか更新できなくてすみません。授業も始まり、プロジェクトや学生の卒業研究、修士論文などが忙しくなりつつあります。お伝えすることはたくさんあるのに、それを書く余裕がありません。後期から多摩美術大学美術学部の情報デザイン学科1年生に非常勤で教えにいっています。授業は「動きとインタラクション」といいます。内容は生物の運動を観察してその動きをコンピュータグラフィクスのアニメーションとして表現する授業です。歴史は長く、1989年から同様の授業があり、かつては運動構成と呼ばれていました。私も多摩美時代を含め、ブランクがありますが、かれこれ10年くらい同じ授業を担当しています。
授業の狙いは「動きのデザイン」を学ぶこと。伝統的なデザイン教育は色彩や、形態のデザイン教育を中心に行ってきましたが、現在のIT時代には情報機器のインタフェースや、画面で動的なコンテンツや情報表現をデザインする必要があり、動きのデザインを学ぶ必要があります。そのために、生物を観察し、紙にスケッチするように、コンピュータのモニターにCGとして動きを表現していくのです。CGだけではなく、レゴマインドストームでブロックやモーター、ギアを使って生物の動きを再現したり、Squeakも使用したり、多様な運動表現に挑戦します。さらに観察と表現を相互に行うことによって、両者はより精緻化されていくのです。水族館も最低2回は見に行きます。
生物の観察は隔年で動物園と水族館に行き、今年は、先日学生を連れて、葛西臨海水族園に1回目の調査に行きました。今週はその観察結果のプレゼンテーションがあります。同様の授業を武蔵工業大学でも行っています。多摩美は1年生、武蔵工大は2年生です。今年は両校の学生の交流の場を持てるといいと思っています。

« 2005年9月 | トップページ | 2005年11月 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31